モラルハラスメントと離婚
「夫から,『お前はお金も稼げないバカだ』,『俺がいないと生きていけないのだから,俺に従え』などと日々言われており,精神的に辛く,もう一緒に生活していけません。暴力は振るわないのですが,夫と離婚できるでしょうか?」
夫が離婚に応じない場合には,裁判所の手続で離婚を認めてもらうことになりますが,その際には,「婚姻を継続しがたい重大な理由」が必要となります。
まず,「身体的暴力」があれば,典型的なDVですので,裁判所の理解は得られやすいと言えます。
これに対して,今回のご質問のような場合を「精神的暴力」もしくは「モラルハラスメント」と言います。
相手の人格を否定するようなモラルに外れた言動をすることで,相手を精神的に痛めつける行為です。
これも,裁判所に理解してもらうことで,離婚を認めてもらう理由となり得ます。
ただし,これを裁判所に認めてもらうためには,証拠が必要です。
身体的暴力であれば,アザの写真を撮れば,それだけでも重要な証拠になりますが,「精神的暴力」の傷は写真で撮れません。
また,精神的暴力の場合は,たった1回,その発言があったからといって,「口論になってカッとなって言ってしまった」と反論されてしまうと意味がありません。
ポイントは,「どのような発言」を「どんな頻度」で「何回」言われたか,という点にあります。
これを,日記などで良いので,記録しておくのが一番です。
ICレコーダーで録音を撮れればベストです。
身体的暴力の場合のように明確な証拠を作りにくい分,日々の小さな積み重ねが重要になります。
精神的暴力でお困りの方は,具体的な対応について,是非弁護士野澤哲也にご相談ください。
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