給料は,従業員と会社の合意で決まるので,原則として一方的に変更することはできません。

 

 ですが,たとえば,会社の業績が悪く,これまで通り支払うと会社の存続が危うい事情がある場合があります。このような場合には,一方的な引き下げが許される場合があるといえるでしょう。

 

 まず,業績が悪いという条件があります。給料を引き下げなければ会社が資金的に行き詰まるというようなやむを得ない状況が必要となってきます。単に単年度が赤字になったというだけでは十分ではないと思われます。

 

 その引き下げ幅も会社の状況を考慮した最低限のものでなければなりません。

 

 また,引き下げにあたっては,それが一定の期間に限定されるなどの配慮のほか,引き下げざるを得ない事情,引き下げの内容などをしっかりと従業員に事前に説明する必要があるでしょう。

 

 もちろん,一部の従業員だけの給料を引き下げることは差別を疑われるので,平等な取扱が必要です。

 

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投稿者: 野澤・中野法律事務所