従業員の賠償責任(会社に対して)
「運送会社に勤めていますが,会社のトラックを破損させてしまいました。会社から全額の賠償を求められていますが,応じなければなりませんか」
「会社のトラックを壊したのは,あなた。だったら,あなたが全額支払うのは当たり前だ。」
こういわれてしまうと,つい納得してしまいそうです。
確かに責任がある以上,全く支払をしない訳にはいきません。
しかし,一方で,会社は従業員をリスクのある業務に当たらせて,それで利益を得ています。
それで事故が生じたときに,その責任を全て従業員に負わせるのは不平等です。
そこで,法的には,仮に従業員が自分の過失でトラックを破損させても,会社と従業員が損害を分配して負担することになります。
したがって,「会社から全額の賠償を求められて」も,全額を支払う必要はありません。
ただし,従業員の過失が大きい場合には,自然と従業員が負担すべき金額の割合も増えていきます。
ここは,会社の指導のあり方や会社の損害,事故の内容,従業員の普段の業務態度など,いろいろな要素が関わってきますので,事故に関連して会社と従業員の負担割合について疑問が生じた場合には,弁護士野澤にご相談ください。
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