DVと離婚
「夫からDVを受けて,シェルターにいます。離婚をしたのですが,どのようにすればよいでしょうか。人づてに聞いた話では,夫は全く離婚に応じる気はなさそうです。」
離婚をする方法は,3段階,①協議,②調停,③訴訟です。
DVでシェルターに入っている場合,家族や知人,弁護士などが夫と代わりに話をして離婚をまとめてくれない限り,①協議による離婚は困難です。
現実的にもこれはほとんど実現しないと思われます。
普通は,弁護士を代理人として②調停を起こします。
調停は本人が参加しなくて手続ができます。
裁判所の調停委員が間に入って双方の事情を聞き,DVを理由とした離婚であれば,その事情をもとに調停委員が夫を説得するなどして,離婚の成立へ尽力してくれます。
ただし,DVの証拠が弱く,夫が離婚に強く反対している場合には,調停委員も説得の材料に欠けるため,なかなか上手くいきません。
妻がシェルターに入っている場合,大抵は夫にとっては突然妻や子どもが姿を消すことになり,居場所も分からないため,夫の理解が得られない場合も珍しくありません。
このような事情で調停でも離婚が成立しない場合,③訴訟をすることになります。
訴訟は,裁判官が夫と妻の主張を聞いて,離婚をさせるべきかどうかを一方的に判断することになります。
離婚の場合,裁判官にとって重要なのは,次のような点です。
・DVなどの夫婦関係継続にとって致命的な明確な証拠があるか。
・別居がどのくらい続いているか。
明確な証拠がないからと調停から訴訟になってしまいました。
そうなると,別居期間が重要になってきます。
どのくらい別居していれば,裁判官が離婚を認めてくれるかは一概に基準を示すことはできません。
できれば1年以上,そのほかの事情で前後します。
そのほか,訴訟では和解により,早期に解決する可能性があります。
ただ,その場合でも訴訟提起から数ヶ月はかかりますし,和解では,調停と同じように,やはり夫を納得させる必要があります。
結局裁判官が夫を説得するための証拠などが必要になってくるのです。
DVで離婚する場合には,絶対に一人では戦えません。
役所の女性相談員がまず対応してスタートすることも多いですが,弁護士に協力を求め,安全,確実に離婚を進めていきましょう。
離婚をお考えの際は,まず弁護士野澤にご相談ください。
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