離婚後,長時間が経って,結婚前の名字(旧姓)に戻れるか
「私は15年前に離婚しましたが,
まだ幼い子どものために夫の氏を引き続き使用しました。
このたび子どもも社会人となり,
また自分は実家にいるので,
親と同じ旧姓に戻りたいと思います。
離婚から15年経っていますが,
旧姓に戻れるでしょうか」
離婚する際,
結婚で名字を変えた人は,離婚届に記載することで,
簡単に旧姓に戻ることができます。
しかし,実際には,
子どもが学校に通っており,
自分も仕事などの関係で,
名字を戻したくないという
ケースは多々あります。
こうして,離婚しても結婚後の名字を名乗り続けた人が,旧姓に戻るにはどうしたらよいでしょうか。
戸籍法では,氏(名字)を変える場合には,
「やむを得ない理由」
があって,
「家庭裁判所の許可」
を受けた場合に戻れるとしています。
実は,名字を変えることは,
名前を変える以上に難しくなっています。
名字は,個人を識別する上で,下の名前以上に重要だからです。
では,どのような場合が,「やむを得ない理由」になるのでしょうか。
一般的には,以下のようなポイントが判断されます。
① 離婚時に,名字を戻さなかったのはなぜか
② 現在の生活実態が旧姓を前提としているか
③ 今後,さらに旧姓を名乗る必要があるか
④ 親族はどう思っているか
例えば,やはり子どものために,離婚しても旧姓にも戻さなかったが,
今は子どもも成人しており,
もはや名字をそのままにしておく必要がない場合
は,①に該当します。
また,
実家で,長年両親と暮らしており,
旧姓のまま仕事や友達づきあいをしている場合
には,②に該当します。
さらに,
今後自分が実家を継ぐ必要
があれば,③に該当します。
当の子どもなどが親が旧姓に戻ることに賛成
していれば④に該当します。
名字は,生活する上で大変重要な呼称ですから,基本的に家庭裁判所も気軽な変更は認めてくれません。
しかし,
きちんとした理由さえあれば,復姓も可能
ですので,名字の変更についてお悩みがございましたら,
是非弁護士野澤にご相談ください。
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